1.行動指針策定の目的
私たちベストケア・パートナーズは、私たちが掲げる理念である「介護をする人、介護を受ける人の両方の幸せを追求し、持続可能な介護の実現に貢献します。」を実現し、ご利用者様に対して適切な介護サービスを持続的に提供し続けていくためには、職員の一人一人が、ご利用者様やそのご家族等による職員へのカスタマーハラスメントにより傷つけられることなく、生き生きと働ける環境が不可欠だと考えております。
そのために、私たちはカスタマーハラスメントの予防に取り組み、また発生した場合の対応や対策をしっかりと講じ、全ての職員が安心・安全に働くことが出来るように環境を整える責務があります。
この指針は、それらを実現するために、ご利用者様やそのご家族等にもご協力いただきたいこと、知っておいていただきたいことをお伝えすることを目的として策定いたしました。
2.カスタマーハラスメントについて
カスタマーハラスメントとは一般的に、顧客からの要求内容または要求態度が社会通念に照らして著しく不相当であるクレームや、顧客からの迷惑行為のことを指します。
ご利用者様やそのご家族、或いは関係者の皆様からの暴言や暴力・悪質なクレームなどの迷惑行為は、厚生労働省による「働き方改革実行計画」を踏まえ、実効性のある職場のパワーハラスメント防止対策について検討するため開催された「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書においても言及されているハラスメント行為となります(※介護拒否による抵抗等についてはカスタマーハラスメントと分けて捉えております)。
私たちには、カスタマーハラスメントから職員を守り、全ての職員に気持ちよく働ける環境を提供する義務があり、法的には、労働契約法第五条において「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することが出来るよう、必要な配慮をするものとする。」と規定されているとおり、職員の心身の健康に配慮しなければならないという安全配慮義務を負っております。
3.対象となる行為
労働施策総合推進法が定義する6種のハラスメント「身体的な攻撃」「精神的な攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」に基づき、下記のような行為を想定しております。なお、以下の記載は例示であり、これらに限られるという趣旨ではありません。
(1)ご利用者様やそのご家族等からの暴力・暴言、セクシャルハラスメント等
①職員個人に対する暴力・暴言・セクシャルハラスメント等
a. 身体的暴力(物を投げる、叩く、蹴る、つねる、唾を吐く、噛みつく等、身体的な力を用いて危害を及ぼす行為全般)
b. 精神的暴力(大声での威圧、怒鳴る、理不尽な要求、不必要な説教、暴言、出自や容姿をけなす等、個人の尊厳や人格を言葉や態度で傷つけたり、おとしめたりする行為)
c. セクシャルハラスメント(必要もなく手や腕を撫でる・触る、胸やお尻・陰部を触る、抱きしめる、性的・卑猥な言動をする、サービス提供とは無関係に性器を見せる、返答に窮するような性的な冗談やからかい等をする、私的な執拗な誘いを行う、その他職員が嫌がる性的な行為をする等)
② 職員個人に対する誹謗中傷(インターネット、SNS上でのものを含む)
③ 職員個人に対する威迫、脅迫行為
(2)ご利用者様やそのご家族等からの過剰または不合理な要求
① 合理的理由のない謝罪の要求
② 過失のない、あるいは原因のわからない事故に対しての賠償要求
③ 職員に関する、懲戒・解雇等の法人内処罰についての要求
④ 法的な責任範囲を明らかに超越するような、謝罪・賠償要求
⑤ 社会通念上相当程度を超えるサービス提供の要求
(3)ご利用者様やそのご家族等からの合理的範囲を超える時間的・場所的拘束
① 合理的な理由のない長時間にわたる拘束
② 合理的理由なく施設や事業所或いは社屋以外の場所への呼び出し
(4)ご利用者様やそのご家族等からのその他ハラスメント行為
① ご利用者様やそのご家族等からの職員に対するプライバシーの詮索や侵害行為
② 上記各項の行為について、病気や障がいを理由にしてこれらの行為を助長または正当化する行為
4.カスタマーハラスメントへの対応
(1)法人内対応
① カスタマーハラスメントの発生に備え、各職員がカスタマーハラスメントに関する知識及び対処法を習得出来る体制を整えます。
② カスタマーハラスメントに関する相談窓口を設置いたします。
③ カスタマーハラスメントの被害にあった職員のケアに最優先に努めるとともに、当該職員及び当該ご利用者様やご家族に対しては、担当を変える、サービスを中断する、また当該ご利用者様が当社運営施設にお住いの場合は当該施設からご転居またはご退去いただく等、速やかに対処いたします。
(2)法人外対応
① カスタマーハラスメントに屈することなく、組織として毅然とした対応をし、必要に応じてケアマネジャーや行政とも連携し、合理的及び理性的な話し合いを求め、より良い関係の構築に努めます。
② カスタマーハラスメントが行われたと判断した場合には、サービスの提供等をお断りまたは中止し、当該ご利用者様が当社運営施設にお住いの場合は、当該施設からご転居またはご退去いただくこともございます。
5.職員に対して
(1)ハラスメントを受けたと感じたら、1 人で我慢や対処をしようとせずに、すぐに報告・相談をしてください。
(2)他の職員がハラスメントを受けている場面を目撃した、あるいは耳にした場合も、同様に報告・相談をお願いいたします。
6.ご利用者様やそのご家族の皆様へのお願い
上記の「目的」や「カスタマーハラスメントについて」に記載があるとおり、職員の心身の安全を確保し、ご利用者様やそのご家族と職員の対等で良好な関係を築くために、この指針を策定いたしました。そこで、ご利用者様やそのご家族の皆様には以下の事項を是非お願いしたいと考えております。
① ハラスメント行為に加担しないこと
② 他者に敬意を持って行動すること
③ 法令を遵守すること
多くのご利用者様やそのご家族には既に上記事項を遵守していただいておりますが、ご利用者様やそのご家族の皆様と職員とのより良い関係の構築により、より質の高いサービスの提供に尽力していきたいと考えておりますので、引き続きご協力をお願いいたします。
本行動指針は、2024年9月19日より施行する。